伊藤松坂屋(いとうまつざかや)
(東京都台東区上野3丁目)
弘化2年、
土方歳三が11歳の折、丁稚奉公した呉服店。(現、松坂屋)
同店では入店後5年間は帰省できない規律があり、
新人の丁稚に煙草盆(たばこぼん)や大八車の掃除などの
仕事を専門に行わせていた。
土方も住み込み奉公で、熱心に働いていたが、
些細なことから番頭に叱責され、殴られたという。
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しかし、納得できない土方は、
番頭と口論した末、
その日の夕刻、店を無断退出して、
そのまま日野石田村の実家に帰ってしまった。
家族の説得にも応じず、
土方が伊藤松坂屋に戻ることは無かった。
同店に往時の名簿など残っておらず、
土方が奉公していた期間などは不明である。
その後、土方は実家で雑用などにいそしんだ後、
再び江戸の某家へ奉公に出たが、
ここでは女性問題で中途退職したという。