石田散薬(いしださんやく)
この薬は、土方 歳三生家が代々、
宝永年間から伝える骨つぎ、打ち身の妙薬である。
原料は多摩川、浅川などに野生する、牛革草(みそそば)で、
土用の丑の日に採集し、陰干したのち、
黒焼きにし、粉末にしたものである。
服用の際は必ず酒で飲む。
※写真は牛革草
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これと同じ原料と製法の「虚労散」は、
佐藤 彦五郎家家伝のものだが、
こちらは白湯で服用する。
虚労散は肺病の薬として用いられる。
両薬とも新撰組の常備薬として使用された。
※画像左上が虚労散
石田散薬原料の牛革草は当時、村総出で採集され、まるで戦争のような騒ぎだった。
その大勢の人々を指揮したのが、若き日の土方 歳三で、
その采配は見事だったという。
さらにその薬を売り歩いたのも土方 歳三だったが、
成績はあまり芳しくなかった。
販売先は武州・相州20理四方に及び、
甲州にまで売り歩いたといわれる。
土方家には、当時の卸先台帳が現在も保存されており、
ほか、薬を渡り歩いた際の薬箱、薬つぼなども現存する。
第2次世界大戦過ぎまで石田散薬は販売されていた。
土方歳三資料館では、毎年石田散薬製造体験会を開催している。
詳細はこちら
「歳三生家で作ろう!第5回石田散薬製造体験会」